三重県の地震で関東が大きく揺れた原因は?異常震域の仕組みまとめ

生活

2022年11月14日(月)17:08頃、三重県の南東沖を震源地とした地震が発生しました。

マグニチュードは6.1で大きい地震でしたが、東海地方ではあまり揺れませんでした。

そのかわりに、関東では大きく長い揺れがゆらゆらと続いていたことが話題になっています。

関東での揺れが長かったために、関東に住んでいる人は近い地域が震源地ではないかと予想していましたが、震源地は三重県と発表されネット上では一時混乱した様子もありました。

結果的に今回の自身は三重県沖が震源地で間違いはないのですが、どうしてこのような地震となったのでしょうか?

三重県沖が震源地の地震で関東が大きく揺れた原因は?

三重県沖が震源地となった今回の地震は「異常震域」と呼ばれます。

NHKの災害サイトにはこのようにまとめられていました。

異常震域とは、通常の地震は「震源の近く」であるほど揺れが大きくなるのに、「震源から遠く離れた場所」で揺れが大きくなる現象を言います。

引用元:https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/basic-knowledge/basic-knowledge_20220513_01.html

地図を見るとわかるのですが、今回震度として発表されているのはほとんど関東の方が中心となっています。

震度は4でしたが、長いゆらゆらとした横揺れがあったとネット上でつぶやく人もいました。

震域(揺れるところ)が異常なこの状態の仕組みは、どうやらプレートにあるようです。

異常震域の仕組み

異常震域の仕組みは、地球のプレートが関係しています。

ウェザーニュースでは、仕組みについて詳しく書かれていました。

多くの地震では震央から同心円状に揺れの強い地域が分布しますが、深発地震では沈み込んだプレートに沿って強い揺れが伝わり、プレート境界に近い遠方で揺れが大きくなる現象がみられることがあり、これを「異常震域」といいます。震央の近傍では揺れが小さくても、遠方に強い揺れが伝わることがあるため注意が必要です。

今回の地震では地震波が伝わりやすい太平洋プレートに沿って、北日本や東日本の太平洋沿岸に揺れが伝播したものと考えられます。

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/814ea2fbce222825a7f2d03c839966274152ef39

まとめると、

  • 通常の地震では、震源地から広がるようにして揺れが伝わっていく
  • 異常震域(深発地震)では、深いところにあるプレートに沿うようにして揺れが伝わるため、プレートの先にある地域に揺れが伝わって揺れる

つまり今回の地震では、「三重県沖の深いところで発生した揺れが、三重県沖から太平洋プレートに乗って関東地方に揺れが運ばれていった」ために、関東地方を中心に強い揺れが発生したということになります。

また深発地震においては、地震の発生源が深いところにあるために、津波の心配がないのも特徴です。

深発地震では津波の可能性は小さく、一般的に震源が100kmより深い地震ではほぼ津波の心配はないと考えられます。

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/814ea2fbce222825a7f2d03c839966274152ef39

不思議な揺れの原因は、地震の発生場所とプレートの位置が関係していたということですね。

参考:過去の異常震域の例

日本では過去にも何回か異常震域と見られるタイプの地震が発生しています。

新しい例だと、2022年7月頃に起きた宗谷海峡を震源地とする地震です。

7月2日(土)11時00分頃、宗谷海峡を震源とする深発地震がありました。震源の深さは約320km、地震の規模(マグニチュード)は5.9と推定されます。この地震で震央に近い北海道猿払村で最大震度3、少し離れた東北太平洋側の青森県階上町でも震度3を観測しています。

引用元:https://weathernews.jp/s/topics/202207/020145/

この時は、震源地は北海道の真上の方でしたが、実際に揺れが伸びたのは北海道の南部から東北地方にかけてでした。

この時もやはり太平洋プレートに乗って、揺れが伝わっていったようです。

今回の三重県沖の地震では一時電車が止まったり、停電が発生するなどしていますが、現在は多くの電車で運行が再開されているとのことなので、帰宅ラッシュにそこまで影響はなさそうです。

この地震をきっかけに、いざという時の備えを改めてみてもいいかもしれません。

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