みやびの宿加賀百万石の前会長ははめられた?助成金不正受給まとめ

生活

石川県加賀市山代温泉の老舗旅館「みやびの宿 加賀百万石」が、助成金の不正受給をしていた問題が話題となっています。

雇用調整助成金の不正受給については当初、前会長が否定していましたが、その後の調査により前会長が責任を取り、会長の職を辞職することになりました。

内容を見ていると、どうやら本当に前会長は何も知らなかったような気がします…。

開湯1300年の歴史を持つ山代温泉を営む、昭和天皇も訪れた老舗旅館に一体何があったのでしょうか?

みやびの宿 加賀百万石の不正の内容まとめると共に、前会長の証言や新会長についてまとめています。

みやびの宿加賀百万石の不正とは?

みやびの宿 加賀百万石が犯していた不正は「雇用調整助成金の不正受給」です。

このことはニュースで報道されたことで一気に広まりました。

「TBS NEWS DIG」では「働いているのに「タイムカード押すな」 老舗旅館で助成金不正受給1億円超か 相次ぐ告発にオーナーは【報道特集】」というタイトルで特集が組まれ、かなりの話題を呼びました。

その後、みやびの宿 加賀百万石の公式サイトより改めて事の経緯の説明があったので、報道の内容やみやびの宿 加賀百万石の説明をまとめてみました。

まず、この問題をまとめるとこうなります。

  • ビッグ総合開発株式会社が運営をしている時代に不正が行われていた
  • 不正の内容は、雇用調整助成金の仕組みを利用した「タイムカード」を押さないというもの
  • 不正の指示を出していたのは現場の一部役職者で、申請は本社経理部長から行われ、独断で行われていた
  • 会長は調査によって不正の事実を知り、責任を取って2022年9月に代表取締役を退任
  • ただ、2021年12月頃に株式会社みやびの宿 加賀百万石を運営会社としてからは、不正受給の事実はない(一部、前経営の名残があり不適切な申請があったが、受給前に気付くことができたため申請を取り下げ済み)
  • 2022年10月17日、株式会社みやびの宿加賀百万石の新代表取締役に吉田久彦が就任

みやびの宿 加賀百万石は1907年創業の北陸最大の加賀温泉郷に建つ老舗旅館ですが、ひと昔前までは「ビッグ総合開発株式会社」という会社が運営していました。

ビッグ総合開発株式会社について調べてみると、設立は1983年1月10日となっています。

そしてビッグ総合開発株式会社の代表は公式サイトで「金沢孝晃」となっています。

金沢孝晃さんは、みやびの宿 加賀百万石の前会長です。

そもそもみやびの宿 加賀百万石はかつて「ホテル百万石」として事業を営んでいましたが、2010年に破綻しています。(その時も全く別件ではありますが不正があったようで、なんだかいわくつきな感じがしますが…)

その後2018年2月にビッグ総合開発株式会社が「みやびの宿加賀百万石」として再建しました。

つまり、ビッグ総合開発株式会社が運営をしている時代の2018年~2021年の間に、不正があったということになります。

みやびの宿 加賀百万石の公式サイトでは不正報道について次のように説明しています。

ビッグ総合開発株式会社が運営をしている時代に不正が行われていたことは事実でございます。現場の一部役職者が指示を出し、申請は本社経理部長から行われ、申請について経営陣への報告や相談は一切なく、与り知らぬうちに行われました。しかしながら、代表としての管理責任があるとし、会長は自ら9月に代表取締役を退任致しました。

昨年12月に株式会社みやびの宿加賀百万石を運営会社としてからは、不正受給はございません。一部、前経営の名残があり不適切な申請がありましたが、受給前に気付くことができたため申請を取り下げております。

10月17日、株式会社みやびの宿加賀百万石の代表取締役に私、吉田久彦が就任致しました。

引用元:https://www.kaga-hyakumangoku.jp/news/175(※一部抜粋)

「TBS NEWS DIG」の特集記事では実際の不正の実態について述べられていました。

元従業員の話によれば、

  • 「タイムカードを押すな」と直接言われたこともある
  • 「タイムカードを押さずに直行」という張り紙もされていた
  • 「お前らの給料は“雇用調整助成金”で補償されているんだから、安心して働けばいいんだよ」と言われた
  • 同様の証言が複数あった

ということです。

タイムカードを押さないことで、従業員を休みという扱いにして助成金をもらいつつ、実際には従業員は働いているという状況を作っていたというのが今回の不正のポイントです。

特集では実際の物的証拠を見せてくれた元従業員もいるようです。

しかし、取材を進めると「不正の物的証拠がある」という人物が現れた。元従業員のBさんがシフト表を見せてくれた。 すると、従業員の名前の下に「タイムカード押印」という欄がある。そこに「×」印。すぐ上には「出勤」の「出」の文字。これこそ、「タイムカードを押さずに勤務させていた証」だという。 元従業員Bさん 「×のところはタイムカードを押さない。この日ならタイムカードを押さない人が1人、2人、3人…。(タイムカードを)押してしまうと、助成金を受けられなくなると聞いた」

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/ac51ea6ff2eb1c12fbde3afd23226b908ac45580?page=2

これはほぼ確実な不正の証拠と言えそうですよね…。

結果的にその後、調査によって不正があったことを認めたみやびの宿 加賀百万石ですが、今回の一連の騒動は、どうやら金沢孝晃前会長は何も知らなかったようなのです。

みやびの宿加賀百万石の前会長ははめられた?

みやびの宿 加賀百万石の前会長兼ビッグ総合開発株式会社の代表である金沢孝晃さんは今回の事を知らなかったと言えそうな資料があります。

「TBS NEWS DIG」が金沢孝晃さんに突撃取材した時の状況がこんな感じでした。

ーータイムカードを押さないようにと会社側から指示があったとする内部証言が複数あるが、どうしてそのような指示をしたのか

金沢孝晃会長「するわけがない。するわけがない!」

ーー会長に直接指示をされたと言っている人もいる

金沢会長「全くの嘘!そんな馬鹿じゃない、私は」

金沢氏が会長を務める会社「ビッグ総合開発」は、加賀百万石だけでなく大阪や京都などでも多数のホテルを所有している。金沢氏は、全日本ホテル旅館協同組合の理事長も務めている。

金沢会長「この歳まで商売してきて、社員に『雇用調整助成金をもらうから、お前たちタイムカード押すな』と、そんな馬鹿な経営者じゃないよ、私は。言うわけがない、そんなもん!」

ーー実際に働いていた人の分を申請したわけではない?

金沢会長「当たり前でしょそんなこと!犯罪じゃないの、そんなことあったら」

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/ac51ea6ff2eb1c12fbde3afd23226b908ac45580?page=2(※一部抜粋)

本当に会長は何も知らなかったようで、むしろこの時はデタラメな取材に憤りを隠せない、という感じがします。

その後のみやびの宿 加賀百万石の公式説明でも、「申請について経営陣への報告や相談は一切なく、与り知らぬうちに行われました。しかしながら、代表としての管理責任があるとし、会長は自ら9月に代表取締役を退任致しました。

と書かれていることから、恐らく本当に会長ら経営陣の知らないところで不正が起きていたということでしょう…。

金沢孝晃さんがはめられた、という言い方は少々乱暴かもしれませんが、金沢孝晃さん的には、自分が知らないところで不正を犯されて、はめられたと思っていると言っても過言ではない気もしますね…。

(長年運営してきてこれ以上の屈辱はない気もします…)

大人のけじめ、として会長の職を辞することとなってしまった金沢孝晃さんですが、みやびの宿 加賀百万石の新しい会長には他の人がすでに決まっているようです。

みやびの宿加賀百万石の新会長は誰?

みやびの宿 加賀百万石の新会長には「吉田久彦」という人物が就任しました。

2022年10月27日には改めて新体制についての会見があるということで、この場に吉田久彦新会長が出席する予定となっています。

吉田久彦新会長のものと思われるインスタアカウントがありました。

アカウントの概要欄には、

  • 株式会社花屋代表取締役
  • よしだ運湯代表
  • 慶應義塾大学非常勤講師(スキー)
  • 株式会社みやびの宿加賀百万石代表取締役

とあり、ご本人で間違いなさそうです。

色々な事業をやられている方ですが、失ってしまったみやびの宿 百万石の信頼はどこまで回復できるのかに注目が集まりそうです。

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