“ポリコレカードバトル”という言葉が話題になっています。
ポリコレカードバトルという言葉が生まれた起源は、日本時間の2022年3月28日に行われたアカデミー賞の受賞式にて、俳優のウィル・スミスさんが司会であったクリス・ロックさんを平手打ちしたことからです。
ウィル・スミスさんがクリスロックさんを平手打ちしたことは日本のみならず世界的に有名な出来事となりました。
そしてこの出来事は「どちらが悪いのか」という点で大いに盛り上がっていたところ、新事実が判明したことで“ポリコレカードバトルでは”という見解を示す人が現れました。
ポリコレカードバトルの意味や、クリス・ロックさんとウィル・スミスさんの例との関係性についてまとめています。
クリスロックとウィルスミスの出来事とは?
ポリコレカードバトルの意味を知る上では、アカデミー賞授賞式でのクリス・ロックさんとウィル・スミスさんの出来事を理解しておく必要があります。
(※こちらの出来事については別記事で詳しくまとめていますので参考にしてみてください↓)
この出来事が起きた当初、ネット上では「あんな発言をしたクリス・ロックが悪い」「自業自得だ」「ウィル・スミスが怒って当然」と、ややウィル・スミス側を擁護するような発言が多めでした。
しかし、手を挙げてしまったのはウィル・スミスさんなので「いかなる理由があろうとも暴力はいけない」と言った声もあがるようになり、実際にあのアカデミー賞ではウィル・スミスさんの平手打ちがきっかけで会場の空気はかなり凍ったと言われています。
そんな状況で責任を感じたのか、ウィル・スミスさんはアカデミー賞後に反省の言葉を述べて上でアカデミー賞を主催している映画芸術科学アカデミーを退会をしました。
これで収まるのかと思いきや、クリス・ロックさんが実は「非言語性学習障害(NVLD)」だったことが明らかとなります。
第94回アカデミー賞授賞式で俳優のウィル・スミスから平手打ちを食らったコメディアンのクリス・ロックが、非言語性学習障害(NVLDまたはNLD)と診断されていたことが改めて注目を集めている。
引用元:https://search.yahoo.co.jp/realtime/search?p=%E9%9D%9E%E8%A8%80%E8%AA%9E%E6%80%A7%E5%AD%A6%E7%BF%92%E9%9A%9C%E5%AE%B3&rkf=1&ifr=tp_bz
非言語性学習障害とは、NVLDの団体によれば、
- 「特に社会的スキルや空間概念に困難を抱えている」(引用:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/04/post-98437.php)
というものなんだそうです。
つまり、人の気持ちが上手く読み取れない障害であり、そのためにクリス・ロックさんはあのような発言をしてしまった、(とまではハッキリ書かれてはいませんが)という示唆があるようです。
ポリコレとは?
クリス・ロックさんとウィル・スミスさんの出来事の流れを理解した上で、“ポリコレ”について見ていきましょう。
ポリコレとは、ウィキペディアよれば次のように書かれています。
ポリティカル・コレクトネス(英: political correctness、略称:PC、ポリコレ)とは、社会の特定のグループのメンバーに 不快感・不利益を与えないように意図された
言語・政策・対策を表す言葉の総称であり、人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まない中立的な表現や用語を用いることを指す。政治的妥当性とも言われる。
ポリコレが行き過ぎているアメリカ合衆国では、ジョークの領域だけは病気や容姿の揶揄や人種差別を含む普段言えないことを言えるというグロテスクな歪んだ言論空間となっている。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%8D%E3%82%B9
ポリコレはポリティカル・コレクトネスの略称であり、差別的な表現に繋がるものに対して、中立的な表現を用いることで不快感を与えない、というものです。
例えば日本で言うと、
- 看護「婦」・「士」→看護「師」
- 主「婦」→主「婦」・「夫」
のような、性別によって職業がイメージされてしまっていたものを、“ポリコレ”表現(中立的な表現)によって不快感をなくすという取り組みがされています。
アメリカの場合、ウィキペディアにもあるように、ポリコレが行き過ぎているために
- ジョークの領域だけは病気や容姿の揶揄や人種差別を含む普段言えないことを言えるというグロテスクな歪んだ言論空間となっている。
といった新たな文化も生まれてしまっているようです。
だんだん意味が理解できてきたところで、最後に今回話題となっている“ポリコレカードバトル”について見ていきましょう。
ポリコレカードバトルとは?
ポリコレカードバトルという言葉は、
- (先ほどの)“ポリコレ”をカードとして出すバトルのようだ
と表現されたことが発端です。
どういうことかというと、クリス・ロックさんとウィル・スミスさんの例だと、
- クリス・ロックが失礼な発言をした→ウィル・スミスがそれに対して平手打ちをした
という言葉だけを見るとクリス・ロックさんが悪いように見えますが、
- 実はクリス・ロックさんが非言語性学習障害だった
という手札(カード)を後から出すことによって、「私(クリス・ロック)は弱い部分があるから、今回の発言は仕方ない」というような、自分の悪い行動を“緩和”する働きがあるということです。
その一連の様が「まるで(ポリコレ)カードバトルのようだ」と表現した人の言葉が、ネット上で話題となっている、ということですね。
ちなみにその話題のツイートは現在も多くの人に拡散されています。
現在クリス・ロックさんは、非言語性学習障害の診断を、なぜこのタイミングで公表したのかについては特に回答していないとのことですが、今後また新しい動きがあるような気がします…。
ウィル・スミスさんとクリス・ロックさんの一連の出来事は、思いのほか大きくなっていっているように感じますので、まだまだ世間の注目は集まりそうですね。