劇場版「奥様は、取り扱い注意」の中で、綾瀬はるかさん演じる伊佐山菜美が心理テストを受けるシーンがあります。
菜美が受けていた心理テストは“カラーキューブセラピー”といいます。
前田敦子さん演じる三枝礼子が菜美にカウンセリングを行うシーンが何度か登場しますが、四角いキューブをひたすら積み上げていくあの心理テストにはどのような意味があるのでしょうか?
(※映画全体の内容については触れていませんが、ネタバレになる可能性もあるので、まだ作品を観ていない方は自己責任でお読みください。)
菜美が受けていた心理テストとは?
記憶喪失になってしまった菜美が、作品中で何度か受けていた心理テストは“カラーキューブセラピー”といいます。
四角いキューブをピラミッドのように積み上げていく心理テストは、あまり見慣れないので「どんな意味があるのだろう?」と私もずっと疑問に思いながら鑑賞していました。
作品中では、この心理テストについての説明は一切ありませんでした。
菜美がキューブを全て積み上げた後、三枝礼子がキューブの色の状態を見て、「○○ですね、最近変わったことは?」などとカウンセリングを続け、最後に薬を処方して、カウンセリングは終了していました。
常に横にはカメラが菜美に向けられており、そこには菜美の体温が分かるサーモグラフィの映像が映されていました。
礼子は毎回その映像をチェックしつつ、カウンセリングをしている様子でした。
カラーキューブセラピーとは?
礼子が菜美に行っていたカラーキューブセラピーは、色によってその人の心の声を読み取る心理学の一種です。
このカラーキューブセラピーに使われる色は10色のみ。あとは、その人がその時に感じている感情のままにキューブを積み上げていきます。
心の声を色彩に託す、イメージ療法ともいえますね。
文字や絵を描いたりするのは、手も使いますし意外と頭も使います。
まだ言葉が上手く伝えられない子どもや、高齢者に対して、自分が感じている色を積み上げるのは、簡単で取り組みやすいので、医療現場でもたくさん利用されています。
カラーキューブを用いて、横一列に並べたり、ピラミッドのように積みあげる方法などがあります。
横一列に並べる方法は、自分の理想と現実や価値観を知るきっかけとなります。
10色のキューブを積み上げていく方法は、“今の自分”を知るきっかけとなります。
色にはそれぞれ意味合いがあり、積み上げていくことで、「過去・現在・未来」の流れを読むことにも使われます。
その他には心に秘めている夢や希望、想いを感じ取る時にも使われます。
菜美がカラーキューブセラピーで表していた心の意味とは?
作品中では、菜美がカラーキューブをピラミッドのように上に積み上げていくシーンが何回か登場しました。
そして、場面が進むにつれて、その色にも変化が出てきていました。
カウンセリングを序盤・中盤・終盤に分けてそれぞれ見ていきましょう。
カウンセリング序盤
菜美が受けていたカウンセリングの序盤の方では、積まれたカラーキューブの多くに“黒”が混じっていました。
黒が意味するのは、「暗い・闇・失望・孤独・恐怖・どん底・重力」などがあります。
記憶喪失となって、過去の記憶を失ってしまった菜美は、自分が一体何者か分からず、そばにいてくれる夫の西島秀俊演じる伊佐山勇輝でさえも信じることができない状況でした。
恐らくその孤独感や、今後自分が何者か思い出せないままなのかという恐怖で心がいっぱいだったのだろうと読み取れます。
カウンセリング中盤
そして菜美が次第に前向きに生きようとしていた時のカウンセリングでは、ピンクや白のカラーキューブの中に少し黒が混じっている状態でした。
ピンクは「解放・不安定・愛情・幸福・女性的・やすらぎ」などの意味があり、白には「明るい・空虚・冷淡・正義・夢・健康」などの意味があります。
夫である勇輝を受け入れつつ、2人の将来の夢について考えていた菜美。穏やかに暮らしたいと思いつつも、それは“単なる夢”でしかないと、どこかで感じていたのかもしれませんね。
カウンセリング終盤
菜美が最後に受けていたカウンセリングでは、カラーキューブにピンク、白、そして黄色が混じり、黒は一切見受けられない状態でした。
黄色には「幸福・楽しい・希望・明朗・転機・発展・緊張・危険」などの意味があります。
黄色は光や太陽というイメージもありますよね。
菜美が自分の過去もすべて受け入れて、今の自分を生きていく決心をしたのがこの時です。
映画でもまさにここから展開が変わっていく感じでした。
まとめ
「奥様は、取り扱い注意」の映画中に、菜美が受けた心理テストが表す意味についてご紹介しました。
今の自分を知ったり、価値観について考えたい時などに気軽に使えそうな心理テストでしたね。
色は10色しかありませんが、組み合わせ次第で結果が変わるのも面白そうでした。
気になった方は、ぜひやってみてくださいね。