夏の甲子園こと第103回全国高校野球選手権大会が、2021年8月9日から25日までの間、甲子園球場にて開催されています。
昨年はコロナウイルスの影響で、戦後初となる試合中止という異例の決断が下されましたが、まだコロナ禍にある2021年では開催されることとなりました。
コロナ禍での大会開催となるので、コロナ対策が義務付けられるところですが、試合が始まってから東海大相模や星稜などの有力校が出場辞退をしている状況です。
そして、初出場で初勝利を飾った東北学院からも、ついに陽性者が出てしまいました…。
一体甲子園のコロナ対策ルールはどのようになっているのか?
対策しているのにこれだけのコロナ陽性反応が選手たちに出ているのはなぜなのでしょう?
甲子園のルール対策や実際の甲子園の様子について調べてみました。
甲子園のコロナ対策ルールについて
朝日新聞社と日本高校野球連盟は、新型コロナウイルス感染対策のガイドラインを発表しています。
そのガイドラインによると、このような対策がまとめられていました。
・三つの密(密閉、密集、密接)を徹底的に回避
・大会関係者、代表校関係者、メディア関係者、学校関係者の検温を実施、球場内での消毒、マスク着用の徹底
・メディア関係者は事前登録制とし、選手・監督らチームへの取材は対面ではなく、オンラインを原則とする
引用元:https://www.asahi.com/articles/ASP7P538JP7FPTQP00W.html
とにかく人と人が触れ合わないような仕組みになっていますね。
選手を含め大会関係者は、大会の開催前から期間中に最大3回のPCR検査を実施します。
そしてオンラインの抽選会にすることで、代表校の甲子園入りを遅らせて合宿期間を短縮するという狙いがあったようです。
このほか日程的に例年酷暑となっているので、ベンチ裏などに理学療法士を待機させているんだそうです。
そしてちょっと話がそれますが、暑さ対策として今大会から、3回戦と準々決勝の間に新たに休養日を設けることになりました。
休養日を計3日として決勝でタイブレークを導入することで、選手の健康管理への配慮をする仕組みとなっています。
年々暑さが厳しくなっているので、このあたりの対策はコロナうんぬんの前に大切なことですよね。
また応援側も大声は禁止で拍手がベースとなっているようで、大声が出せないので大声での校歌斉唱もできません。
そして名物のあの“甲子園の土”も持って帰れないシステムとなりました。
例年のあの土を寄せ集めるシーンが見れないとなると物寂しいものがありますが、仕方ないとしか言えませんね。
そして応援席も誰がどこにいるのかを把握するために最低14日間は入場券を保管するようお願いしているようです。
ガイドライン的にはかなり徹底されている感じはしますが、実際のところはどのようになっているのでしょうか?
実際の甲子園の様子は?
コロナ対策のガイドラインが発表され、徹底したコロナ対策が行われているはずの2021年の高校野球ですが、実際は夏の地方大会で福井商、東海大相模、星稜、中越などの野球が強いと言われている学校でクラスターが発生し、地方大会出場を辞退している状況です。
さらには初出場で初勝利を飾り話題となっている東北学院からも、陽性反応の生徒が1人出てしまいました。
ガイドラインではあれだけ徹底されているはずなのに、なぜこのような事態になっているのでしょうか?
実際の甲子園の情報を調べてみたところ、驚きの状況であることが分かりました。
とある取材記者が見た現場の様子がこのように述べられています。
ベンチで選手たちは大声を出しているし、練習試合では両校の生徒がマスクもせずに、おしゃべりをしながら仲良くグラウンド整備をしていたりもする。集まって無造作に着替えをしていたりもした。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/844c5c306ad95ca9736e42b6508d7a99d989d38f
密な状態でマスクなしで大声って結構危ない状況ですよね…。
さらにツイッターでこのような情報も発見しました。
これはかなり密な状態です。
というか、ただ左に寄せ集めただけでは…?という感じがします。
素人が見ても危ない状況なのに、これは大丈夫なのでしょうか?
実際にコロナの感染が確認された場合は、ガイドラインではこのように対処するようです。
《代表校関係者に新型コロナウイルスの感染者が確認された場合の対応》
・主催者は緊急対策本部を設置し、保健所の指示を踏まえて対応を決定する
・代表校内での集団感染ではなく個別の事案の場合、チームの初戦までは当該選手の入れ替えなどで対応し、代表校の大会参加は差し止めない
・集団感染と判断しチームとして出場ができなくなった場合でも、代表校の差し替えなどはしない
引用元:https://www.asahi.com/articles/ASP7P538JP7FPTQP00W.html
あくまで保健所の指示を待つ、というスタンスのようです。
ただクラスターでなく個別の感染の場合は選手を入れ替えるなどして対応もできるというなぜかここだけゆるめのルールです。
でも先ほどのニュース記事やツイッターの画像が本当に日常的に起こっているのだとしたら、クラスターになる可能性は十分ありそうで怖いですよね…。
酷暑が続くグラウンドではありますが、生徒たちもガイドラインを守る必要がありますし、それを指導する指導者にも責任がありそうな気もします。
今後の甲子園の試合は続行?それとも中止?
すでにいくつかの学校がコロナの影響で大会を辞退している今年の夏の甲子園ですが、ここ数日は雨がひどく、試合ができていないのも課題となっています。
第103回全国高校野球選手権大会(甲子園)は、13日(大会第3日)の4試合すべてが天候不良により、14日に順延された。12日に続く2日連続の順延は、第96回大会(2014年)の開幕日が2日順延になって以来。今大会は台風9号の接近による開幕順延も含めると、早くも3度目の順延となった。大会本部は3回戦終了後に設けていた「休養日」の取り消しを決定。決勝は27日に行われる予定だ。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/b8b71964da22142018e4dd2b34b571d1ae96ee84
降り続く雨による試合の順延により、休養日を取り消す事態になっています。
こればかりは天候のことなので、どうしようもないのですが、生徒たちもコロナ対策で神経を張り詰めているところに試合がここまでできないとなると、調子が狂ってしまう気もします。
いまのところ27日に決勝を行うことは決定されているので、甲子園は最後まで続行される模様ですが、もしクラスターが大量にあらゆるところで発生でもしたら、さすがにちょっとこのまま続けられる状況なのか判断する必要がありそうです。
個人的にはすでに始まってしまっている大会なのでいきなり中止というわけにもいかないのかな、という感想ですが、このあたりは神のみぞ知る、と言ったところでしょうか。
この先もまだ天候が回復しなさそうですので、どうか無事に甲子園大会が終わることを願うばかりです。