サッカーVAR判定で使用!ボール内蔵チップのメーカーはどこ?

スポーツ

盛り上がりを見せ続けるカタールで行われているFIFAワールドカップ2022。

今回の日本代表の戦いっぷりは、サッカー強豪国とも肩を並べる勢いでさらに盛り上がっています。

特に2022年12月23日午前4時頃(日本時間)に行われた対スペイン戦では、激闘の末の逆転勝利を勝ち取り、グループ内の予選1位通過となりました。

このスペイン戦で使用された「VAR判定」は、かなり際どいボールとラインの関係を、より正確に判定したことで日本に勝ち点を追加することとなり、この1点が大きな影響を与えたと言っても過言ではありません。

そんなVAR判定には、ただビデオで映像を分析するというだけではなく、実は選手たちが試合で使っているサッカーボールの中にも、チップが内蔵されています。

FIFAワールドカップ2022で使用されているボール内蔵チップは、なんと日本の技術が使用されています!

サッカーのVAR判定とは?

サッカーのVAR判定とは、JFAの公式サイトによると

ビデオアシスタントレフェリーの略称です。
別の場所で映像を見ながらフィールドの審判員をサポートする審判員。
2018年のロシアワールドカップでも使用されました。
どの試合でもできるわけではなく、国際サッカー評議会(IFAB:サッカーの競技規則を唯一、制定・改定できる組織)の承認を受けた組織、スタジアム、審判員でなければ使用できません。

引用元:JFA公式サイト

このように書かれています。

サッカーの試合には必ず人間の審判も一緒にコートに入り、審判をしていますが、審判が人間である以上、やはり“見落とし”や”誤審”の問題が出てきてしまいます。

サッカーの1点はチームに対するただの1という数字ではなく、他の国が決勝に上がれるかそうでないかにも関わってくる大事な数字ですので、際どい判定については昔から審判への負担が大きいと言われてきました。

そこで“より正確な判定”として開発された「VAR判定」では、主審が判定できなかった内容について後から映像でしっかりと確認することで、これまでよりも公平な判定ができるというシステムです。

そしてFIFAワールドカップ2022では、ビデオだけでなくボールに内蔵されているチップによって、さらに正確な判定ができる仕組みとなっています。

サッカーボール内蔵チップのメーカーはどこ?【FIFA2022】

FIFAワールドカップ2022で使用されているサッカーボールの内部には、チップが内蔵されています。

日本のスポヲタ株式会社の「キネクソン」技術のチップと、2001年頃にポールホーキンスが開発した「ホークアイ」の技術が融合したものが使われています。

(前大会まではホークアイのみでした)

スポヲタ株式会社は2018年に設立されたスポーツエンタメに特化したテクノロジーを開発している日本会社です。

メンバーは日本人以外の国籍の人も在籍しており、各国の精鋭エンジニアが集まったユニークな会社です。

日本の会社ではあるのですが、所在地は「368 9th Ave, NY, NY, USA」となっており、アメリカのニューヨークにオフィスを構えています。

今回のチップには、ビデオ判定以外のさらに細かい動きを検出できる計測システムが搭載されています。

日刊スポーツではこのように紹介されていました。

ビタラフ氏:チップは「IMU=慣性計測ユニット」と言います。加速度センサー、角速度(ジャイロ)センサーを搭載し、3次元の慣性運動、並進運動、回転運動を検出できます。他競技ではバスケットボール、ハンドボールなどでも活用されており、さまざまな運動データから選手の競技パフォーマンスや身体負荷のモニタリングが可能となっています。

引用元:日刊スポーツ

まとめると、

  • チップ…IMU=慣性計測ユニットのこと
  • 速度センサー、角速度(ジャイロ)センサー搭載→3次元の慣性運動、並進運動、回転運動を検出
  • ただの判定だけでなく、選手の競技パフォーマンスや身体負荷のモニタリングも可能

という特徴のあるチップです。

ホークアイは、2001年にポール・ホーキンスが元々ロケットの弾道研究で開発していたものがその後ボールトラッキングとして活用されるようになったものです。

そして今大会ではさらにキネクソンが開発したチップのトラッキングシステムによって、2つの技術が重なることで、より正確かつ1ミリ以下の判定ができるようになりました。

1ミリ以下の世界がどれだけすごいのかという話ですが、実際に2022年12月2日に行われた日本対スペイン戦でのVAR判定の例がかなり良い例です。

日本とスペイン戦でのVAR判定でも早速使用!

2022年12月2日に行われた日本対スペインの予選大会では、日本代表の三笘薫選手がラインギリギリを攻めてボールを折り返し、田中碧選手がゴールへと繋げたシーンがありました。

しかし、ボールがゴールに入った後も、スペイン側は入っていないというジェスチャーをしており、決めたかに思われた日本選手たちも一瞬「どっち?」と動きが止まりました。

実際に映像を見る限りでは、かなり微妙(とっさの肉眼判定ではアウト)な感じがします。

ABEMAで解説をしていた本田圭佑さんも、当初入っていないという旨の発言をしており、VAR判定の結果を待つこととなりました。(この判定待ちが結構長かった…)

その結果、わずかにボールの一部がラインに乗っているということが判明し、このゴールが有効ということになり、結果として日本はスペインを相手に2点を入れ見事優勝することとなりました。

VARの判断基準では「少しでもボールがラインにかかっていたらインプレー」となりますが、まさにこの例は肉眼のジャッジでは無効ゴールとされていた可能性が高い、1ミリ以下のVAR判定の良い例かと思います。

ホークアイと、キネクソンによる精度の高い技術が、ここまで試合に影響をもたらすと考えると、すごいことです。

この技術はサッカー以外にも使用されるようですので、これからのスポーツ界に新しい風を吹かせてくれそうな気がしますね!

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