ワリエワドーピング経緯まとめ!失格にならない理由は?【最新】

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フィギュアスケートのROC(国としてはロシア)代表の、カミラ・ワリエワ選手のドーピングを巡る問題がどんどん複雑になっていっています。

日にちを重ねるごとに新事実が速報で発表され、そのたびに話題となっていますね。

とはいえ、今は北京オリンピックという大きな世界舞台が開催されている最中でもあります。

金メダル候補と言われているワリエワ選手ですが、検査の結果で陽性が出ているのも事実です。

このまま失格とならずに北京オリンピックで金メダルを獲得するのでしょうか?

それとも失格となってしまうのでしょうか?

ワリエワ選手に起こっているドーピングの経緯についてまとめています。

【2022.02.18追記】ワリエワ選手のフリーの状況や結果、その後についても更新しました。

ワリエワのドーピングの経緯は?【最新】

ワリエワ選手のドーピング問題を時系列でまとめるとこんな感じです。

  1. 2022年2月14日(月):ワリエワ選手に対してドーピング疑惑がかけられる→検査にて禁止薬「トリメタジジン」が検出=陽性判定→検査結果は陽性だが今大会の検査ではないため出場は(一旦)認められる→演技へ
  2. 2022年2月15日(火):ワリエワ選手が事情聴取で「祖父の心臓薬を誤って飲んだ」と説明→ワリエワ選手が3位以内の場合のメダル授与式は行わないと決定
  3. 2022年2月17日(木):新たに2種類の禁止ではない薬が検出される→前の検査で検出されたトリメタジジンが200倍検出されたことが明らかになる→フリー演技でミス連発で4位
  4. 2022年2月18日(金):ワリエワ選手の演技前にアメリカ代表選手やスタッフが一斉に去ってたことが判明。IOCのバッハ会長がワリエワ選手のコーチたちを非難→ロシア側が擁護【最新】

ひとつずつ順を追ってみていきましょう。

まず、ワリエワ選手のドーピング問題の発端は、“疑惑”がかけられたことから始まりました。

疑惑がかけられていた検査は、北京オリンピック出場の対象となる検査ではなく、2021年12月25日に行われたロシア選手権後の検査でした。

「そもそもなぜそんな前の検査の結果が今頃になって発表されているの?」

と思いますよね。

それについてはまた少し長くなるので、別記事で詳しくまとめていますので参考にしてみてください。

(禁止薬「トリメタジジン」についてや、処分解除になった理由についてもまとめてあります。)

ワリエワ選手にドーピングの疑惑がかけられた時には、すでにワリエワ選手は北京オリンピックでプログラムに臨んでいるタイミングでした。

ここでの争点は、

  • ワリエワ選手をこのまま出場すべきか
  • メダルは与えるべきか

でした。

ワリエワ選手はロシア選手権後の検査の結果、「トリメタジジン」という禁止薬が検出され、いわゆる陽性判定となりました。

しかし、北京オリンピック出場のための検査で出たものではないため、一旦は“今回は関係なし”というCAS(スポーツ仲裁裁判所)判断のもと、出場が認められました。

そしてその後のワリエワ選手に対する事情聴取にて、ワリエワ選手が「クリスマスに誤って祖父の心臓薬を飲んだ」と説明しました。

この発言だけ聞くと「?」という感じがしますのでさらに細かく説明すると、

  1. ワリエワ選手の祖父は心臓治療薬を服用している
  2. クリスマスに祖父が使っているグラスで水を飲んだ
  3. その際に薬がワリエワ選手の体内に入ってしまい、検査で検出されてしまった

ということのようです。

テレビのニュースでは、事情聴取に応じるワリエワ選手の母親の肉声も公開され、上記の理由で薬が体内に入ったのではとしています。

ワリエワ選手をこのまま出場にするのか、失格とするのか、メダルはどうなるのかが決まらないまま時間が過ぎていき、IOC(国際オリンピック委員会)は

  • ワリエワ選手が3位以内に入った場合、メダル授与式は行わない

と決定しました。

そして今回新たに出てきた情報が、

  • 新たに2種類の禁止ではない薬が検出される
  • 前の検査で検出されたトリメタジジンが200倍検出されたことが明らかになる

というものです。

この禁止薬ではない薬というのが「L-カルニチン」「ハイポキセン」というものでした。

どちらも心臓治療に使われる薬物ではありますが、禁止ではありません。

しかし、

  • そもそも2種類の心臓治療薬が検出されていること
  • トリメタジジンと同時に検出されていることの不自然さ

という点で、海外メディアは疑問を抱いているようです。

そしてアメリカの反ドーピング機構の最高責任者である、トラヴィズ・タイガートさんはこのように見解を述べています。

「15歳の五輪選手がこれら3つの物質を組み合わせた“カクテル”を使用したことは、組織的にドーピングに関与していた過去のあるロシア人による洗練されたパフォーマンス向上の戦略を示しているのかもしれない。そうでなければ、15歳の子どもが これらの物質を故意に摂取し、それを見つけるための能力を持っているとは考えにくい」

「これらはすべて、ロングプログラムとショートプログラムの2つの部門でスケートをする人にはぴったりの成分だ」

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/24e4541adc2e6a712dfb98032ea77d370e656bb2

2つの薬は禁止薬ではないですが、トリメタジジンと組み合わせて使うことで威力を発揮するということなんですね。

しかしそんな知識が15歳のワリエワ選手には果たしてあるのか?これは国家的に後ろで操っている大人がいるのではないか?という主張をしています。

現にロシアは今大会で、過去のドーピング問題により国としての出場が認められておらず、ROC(ロシアオリンピック委員会)としての出場となっていることからも、立場は弱いですよね…。

さらに、米国反ドーピング機関のタイガート委員長はこのように述べています。

タイガート委員長は「ワリエワの尿サンプルから検出されたトリメタジジンの濃度は1ミリリットルあたり2.1ナノグラムと分析された」とし「これはサンプル汚染と判明した他のスポーツ選手のサンプルと比較して約200倍多い量」と指摘した。

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/e79fef39c7deb9f12b6ed4c4d718ca1c839af673

なんと約200倍近い量ものトリメタジジンが検出されたことが明らかになったのです。

祖父の薬を誤って飲んでしまったのか、意図的に誰かに飲まされてしまったのか、本人が飲んでいたのか…真実はさらに複雑かつ謎に包まれていっているのが現状です。

その後、ワリエワ選手はフリーの演技に出場しましたが、とても有名な曲である「ボレロ」の序盤からミスを連発し、4位という結果になりました。

演技後はワリエワ選手もリンク上で泣いていましたし、ネット上でもワリエワ選手に対するツイートで盛り上がっていました。

そして、実はこのワリエワ選手が演技をするタイミングで、アメリカ代表の選手たちが一斉に席を去っていたことも明らかとなっています。

問題のシーンを収めた画像を自身のツイッターで公開したヒギンス記者は、「女子フリーを見るために多くのフィギュアスケートアメリカ代表選手たちとスタッフが会場にいました。しかし、彼らは全員が、カミラ・ワリエワが氷に降りる前に席を立ち始めました」と決定的瞬間を描写した。

もちろん、時間の都合からその場を離れた可能性は無視できない。しかし、アメリカではワリエワとその関係者に対する非難が拡大していたのは確かで、抗議の可能性も十分に考えられる。

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/d869fa703b845d528327acd5c28cfc9be1de17c6

さらに、ワリエワ選手のコーチがワリエワ選手に対して厳しい言葉を浴びせたとして、IOCのバッハ会長が非難したというニュースや、それに対してロシア側が反発しているというニュースも入ってきました。

国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長がフィギュアスケート女子カミラ・ワリエワのコーチらを非難した発言を受け、ロシアのペスコフ大統領報道官は18日「(バッハ氏の)意見は尊重するが、われわれは賛同しない」と記者団に語り、反発した。タス通信が伝えた。

ペスコフ氏は「われわれのコーチの厳しさが嫌いなようだが、厳しい指導者は教え子の成功の鍵で、勝利に必要だ」と述べ、コーチを擁護した。

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/422d5658e54dbf673bd63858353f7f4a0918f942

もうこうなるとドーピング疑惑がきっかけで起きた問題が、二次災害や三次災害と次々に問題を起こしていっている気がしますね…。

肝心のワリエワ選手本人からの言葉はいまのところ何も発表されていないというのも、なにか組織じみたものを感じざるを得ません…。

ワリエワがドーピング陽性でも失格にならない理由は?

ワリエワ選手は、ドーピングで陽性になった今でも失格とはならずにプログラムに出場することができています。

その理由は、前項でも述べましたが改めて説明すると

  • 今大会には関係のない検査である

ということですね。(グレー判定ということでしょう)

CASが発表したワリエワ選手の“処分解除”に関して発表した文書をまとめると、

  1. 競技者が世界ドーピング防止規定(WADC)における『被保護者』であること
  2. ロシア・アンチドーピング機構(RUSADA)の規則およびWADCにおいて、暫定的なドーピングに関する規定を定めていないこと
  3. 当該競技者の出場を阻止することは彼女に回復不能な損害を与えるだろうということ
  4. 北京五輪中での検査も陰性であること
  5. 2021年12月に実施された競技者のアンチ・ドーピング検査の結果であり、この通知の遅れは彼女の責任ではないこと

このように書かれています。

CASとしては「今大会の検査で引っかかったわけではないし、今大会の検査では陰性。そもそも前の検査の結果が遅れたのはワリエワ選手のせいではないし、ワリエワ選手が出れなくなったらワリエワ選手がかわいそう(?)

という少し謎な“情”も入っている気がしますが、一応公式がこのような判断をしている以上はそれに従うほかありません。

ただ、問題がどんどんと大きくなってきているので、今後についてはどうなるのか、怪しい部分ではありますね…。

ワリエワは今後どうなる?

ワリエワ選手は現在、北京オリンピックでROC代表として出場しています。

ただ、今後もし新たにドーピングとして認定されてしまうような出来事があれば、メダルはく奪はほぼ確実といえるでしょう。

本来であればドーピングとなった場合には事情聴取や裁判などが行われますが、今回の場合はすでにオリンピック開催期間中であり、そこまでに割く時間がありません。

仮にオリンピック後にドーピングの問題がなかったとして、「じゃあ北京オリンピックにでれたのに…」と思っても時間は巻き戻せません。

一旦は出場ということで、もしドーピングとなった場合にはメダルをはく奪という処分にしておく方が、賢明な判断と組織側は考えているようです。

ワリエワ選手には演技にだけ集中してもらいたいところですが、正直この間のプログラム終了後には涙を流すほど精神的にやられている印象だったので、相当きつい状況にあるのも事実です。

真実は明らかにされるべきですが、ワリエワ選手を巡るドーピング問題が、これ以上大きくならないことを願いたいですね…。

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