ボヘミアン・ラプソディといえば、映画のタイトルであり、QUEENの渾身の一曲でもあります。
今回フレディの映画を作るにあたり、映画のタイトルが「フレディの一生」や「QUEEN」でなく「ボヘミアン・ラプソディ」である理由は、ボヘミアン・ラプソディの歌詞の意味が分かると、なんとなく理解できます。
そこで、ここではボヘミアン・ラプソディの歌詞の考察をまとめています。
ボヘミアン・ラプソディについて
ボヘミアン・ラプソディは1975年に発売された曲で、作詞作曲ともにボーカルのフレディ・マーキュリーが担当しています。
映画の中でも言われていますが、この曲は讃美歌的な部分があったり、ロック的な部分があったりと、1曲の中でジャンルがコロコロ変わる忙しい曲です。
曲の構成は、
- アカペラ
- バラード
- オペラ
- ハードロック
- バラードの延長
となっています。
映画の中では、この曲の発売前にレコード会社の担当に持っていたところ、当時は「讃美歌~?」と笑われるような存在でした。
しかしフレディは確信があり、絶対売れるとこの曲を世に出します。
すると全英シングルチャートで9週にわたって第1位を獲得し、100万枚を売り上げる伝説の曲となりました。
ボヘミアン・ラプソディが売れた理由としては、やはり当時革新的だったアイデアや表現力が話題を呼んだのがありますね。
そしてフレディが亡くなった後も再発売され、イギリスでは3番目に売り上げの多いCDとなっています。
ボヘミアン・ラプソディの歌の意味
ボヘミアン・ラプソディは最初に疑問形のコーラスがあり、次に素敵なピアノの音色から始まりますが、Aメロ的な部分の歌い出しがとても衝撃的です。
「Mamaaa, just killed a man,」
直訳すると「ママ、僕は人の事を殺してしまった」ですが、実はこれはフレディ自身のことを言っています。
今まで本当の自分を押し殺して、親の期待に応えるような生き方をしていた自分を“殺した”という意味です。
これまでずっと、親の期待に応える生き方している自分と、でも本当の自分でありたいという自分が葛藤していて、思い悩んでいたけれど、そんな自分を殺すのは一瞬だった、ということですね。
ちなみに歌詞にでてくる「You」「Man」など、本来は自分以外の人を指す言葉も全てフレディ自身を指しています。
映画の中で、フレディはかなり厳格な親に育てられてきていました。
特に音楽に関してはなかなか理解を得られず、「人のためになることをしなさい」と言われ続けてきたフレディ。
フレディは映画の最後に出てくる「ライブ・エイド」で募金を大量に集めたことで、「やっと人のためになることができたかな」と親に抱きつくシーンがありますが、このシーンは泣けますね。
ごめんなさい、という親への懺悔と、これまでの苦痛についてが語られている意味深な歌なのです。
ボヘミアン・ラプソディで分かるフレディの葛藤
フレディの生涯は、HIVウイルスに感染してしまったことで幕を閉じます。
ボヘミアン・ラプソディはまだHIVウイルスがそれほど世で有名でなかった時ですし、このころはフレディもウイルスにはかかっていないので、曲との意味はありません。
ではフレディの当時の葛藤は何だったのかというと、
- 親の期待に応えられない自分
- 本当の自分としていきたい欲
- ゲイであることに対する葛藤
この辺りが入って来そうですね。
フレディはゲイであることに目覚めた時期と、ボヘミアンラプソディが発売された時期がだいたい同じくらいだと言われているので、自分は女性を愛せない、男性が好きであるということも、“本来の自分”として生きたい欲が合ったのだと思われます。
フレディは様々な葛藤と常に一緒に生きていたことがわかる一曲です。
ボヘミアン・ラプソディ関連の別記事もありますので、気になる方は見てみてください。