テレビ番組「金曜ロードショー」にて放送の名作“スタンド・バイ・ミー”。
4人の少年が冒険をしながら友情を育んでいくストーリーが印象的ですが、スダンドバイミーは原作である“恐怖の四季”という小説中の”THE BODY”という話を基に作られています。
この小説の中で描かれている4人のことと、映画で描かれている4人では異なる部分がいくつかあります。
映画と原作で違うところをまとめました。
(※ネタバレの要素があるかもしれないので、自己責任で見てください。)
4人が入るのは森ではなく線路脇のダムだった?
線路の上を歩く4人が線路からそれて森の中に入り、池でヒルに襲われるシーンがありますが、原作では森の中には入っていません。
原作でもヒルには襲われるハメとなるのですが、線路脇にあったビーバーの作ったダムに入ったことが原因でした。
原作では、線路の上を歩くことが人生になぞらえられており、結婚した時や埋葬される時に通過儀礼として通る道=線路ということが書かれており、そのため、線路を外れることは一切あり得ない事とされています。
しかし映画では線路からはそれて森の中に入っていってしまいました。
映画では小説のようにあまり難しいところははしょられてしまったようですね。
エースとの対決シーンで銃を撃つのはクリスだった?
無事にレイ・ブラワーを発見した4人でしたが、最後にはバーンの兄の不良グループのエースに見つかってしまいます。
レイ・ブラワーを渡せとエースに言われるも、クリスがかばうことでエースに襲われそうになるシーンがあります。
映画ではエースに襲われそうになったクリスをゴーディが銃で発砲し、不良グループを退散させますが、原作ではこの役割はゴーディではなくクリスとなっています。
原作では元々銃はクリスの父親の物となっているので、子供であるクリスが使える方が自然ではありますが、このあたりは主人公であるゴーディが最後にかっこいいシーンを受け持つことで、よりヒーロー感を出したかったのではないでしょうか?
成人して生き残ったのはゴーディのみ?
物語の最後は4人とも生き残って成人し、成人後にクリスが飲食店でのケンカの仲裁に入った際に刺殺されてしまう結末を迎えます。
映画の結末では、クリスだけがいなくなり、3人は立派に成人になって終わっています。
しかしこれが原作だと、ゴーディのみが成人した結末になっているのです。
最後のクリスが刺殺される描写(1972年)は同じですが、他のテディとバーンも成人する前に悲惨な結末を迎えています。
バーンはパーティのあったアパートが全焼し、1966年に火事で亡くなっています。
テディは1971年に交通事故で亡くなりました。
この結末に関して、実は物語の序盤に出てくる“コイントス”の結果が大きく関係しています。
コイントスの結果は物語の結末を表していた?
物語の最初の方では、コイントスをする場面があります。
ハンバーガーを買いにおつかいに行く人を決めるためのコイントスですが、おつかい先のお店の途中に狂犬がいるため、負けた人が行くことになっていたあの場面ですね。
このコイントスでは、他の3人とは違う面を出してしまったゴーディがおつかいにいくことになりますが、これが後の“ゴーディしか大人になれなかった”という皮肉さを表している(=3人とは違う結末を迎えた)とされています。
3人が出したコイントスと悲惨な結末に、人生を重ねて想いに浸るゴーディの姿が小説では描かれています。
意味のあるシーンですが、なんだか切ないですよね…。
意味が分かると、少し怖い気もしますが、小説ではそのようになっています。
まとめ
スタンドバイミーの映画と原作の違い3点についてと、コイントスが握る結末についてご紹介しました。
小説と映画では描写が違う点がいくつかありましたね。
それぞれの違いを確認した上で、もう一度作品を楽しんでみても、また面白い発見ができそうです。