北京オリンピックのスノーボード・ハーフパイプ男子決勝にて、日本の平野歩夢選手が見事金メダルを獲得しました。
しかし、平野歩夢選手が3回にわたって挑戦した決勝のうち、実際に評価された点数については日本国内どころか、海外でも疑問の声があがっている状況です。
平野歩夢選手につけられた点数が疑問に思われている理由はなんなのでしょうか?
(平野歩夢選手本人も疑問に思っているほどです…。)
そもそも今回の審査員は誰なのか、そして海外の反応についてもまとめています。
なるべく分かりやすくまとめていますので、ひとつずつ見ていきましょう!
平野歩夢の北京五輪決勝の得点は?
平野歩夢選手が北京オリンピック2022で挑戦し、話題となっているのが
- スノーボード・ハーフパイプ男子 決勝
です。
ルールはこんな感じです。
斜面を半円筒形に削ってつくられたパイプの中を振り子のように右へ左へと滑りながら、5~6回エアトリックを行い、エアの高さやトリックの難易度・完成度で競います。
予選を勝ち抜いた上位者たちが決勝に進出。予選で2回演技を行い、決勝では1人3回跳んで一番高い点数で競うベストスコア方式。6人の審判のジャッジのうち最高点と最低点がカットされ、真ん中の4人のジャッジの合計が得点となります。
引用元:https://media.japan-sports.or.jp/news/74
パイプをイメージした形から、さらに半円筒形に削ったコース=ハーフパイプを右へ左へと技を決めながら下に降りていくという競技です。
ハーフパイプでは、特にこのハーフパイプのコースを左右に移動している際に“どんな技(トリック)を決めるか”で点数が付けられます。
予選は2回行うことができ、決勝では3回行うことができます。
平野歩夢選手は決勝で、
- 【1回目】33.75
- 【2回目】91.75
- 【3回目】96.00(ベストスコア更新!)
という評価の末、金メダルを獲得しました。
数字だけ見ていると「3回目で大技を決めたんだろうな」と思いがちですが、話題となっているのが2回目の点数の“低さ”です。
平野歩夢選手は、2回目で“トリプルコーク1440”という大技をバッチリ決めていました。
トリプルコーク1440とは、斜め軸に縦3回転、横4回転を決める最高難易度の技です。
世界ではたった1人しか成功していない神業です。
この動画を見るとわかるのですが、海外の解説者も「史上最高」と平野歩夢選手を称えており、点数が出るまでの実況では「98点はいくだろう」とも予想しています。
しかし、結果として出たのは91.75という点数でした。
この結果に対して動画の後半では解説者は「What?」とブチギレており、アナウンサーも手に負えなくなったのかCMがたびたび入るようになります。
しかし平野歩夢選手は3回目でも大技を決め、2回目よりも高い到達点で決めたこともあっって、評価がなされました。
動画では、2回目のジャッジに納得いっていない海外の解説者の興奮が冷めない中始まった3回目の様子ですが、最後は「正しい審判だ」と納得のようです。
結果的には金メダル獲得となったものの、やはり2回目のジャッジについては未だに疑問が残っている状態となりました。
平野歩夢に北京五輪決勝で点数を付けた審査員は誰?
決勝を終えた後のインタビューで平野歩夢選手が口にした言葉は、金メダルのことよりもやはり2回目のジャッジの件でした。
早速記事にもなっていますね。
「2回目の得点に納得がいかず、その怒りを最後の滑りで表現できた。緊張ではないがいつもとは違う気持ちで思い切ってすべて出し切ろうとかなり集中していた」
引用元:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220211/k10013478971000.html
2回目のジャッジには正直納得できず、しかしそれを逆に怒りに変えて3回目を滑ったという言葉に、決勝を見ていた人たちはさらに感動したことでしょう。
ただ、ネット上ではやはりあの点数はおかしいということで批判の声が相次いでいます。
実際に平野歩夢選手を含む決勝に進出していた選手をジャッジしていた審査員が、こちらの
6名です。
Those six scores came from six different judges from six different countries: Fredrik Westman of Sweden, Julien Haricot of France, Carter Smith of Canada, Jonas Brewer of the USA, Ryo Hashimoto of Japan, and Markus Betschart of Switzerland.
引用元:https://twitter.com/ilovekwark/status/1492317652291039232
- Fredrik Westman (Sweden)
- Julien Haricot (France)
- Carter Smith (Canada)
- Jonas Brewer (USA)
- Ryo Hashimoto (Japan)
- Markus Betschart (Switzerland)
一部では「日本人を勝たせたくない差別では」「白人主義の国が多いからでは」「ヨーロッパの国でまともな判断ができていたのはスウェーデンだけ」とまで言われるほど、批判が相次いでいます。
実はスノーボードのジャッジというのは、明確な決まりがないそうなのです。
回転数が多いから何点とか、大技だから何点とか、そういった明確な決まりがないため、やはり審査員の主観による判断頼りになってしまう部分があるそうです。
平野歩夢選手は、曖昧になっているルールを整理させる必要があると、その後のインタビューでも語っています。
2回目の試技で得点が伸びなかったことについては、「僕が思っているように周りの人も同じように思ってくれていた。僕以上にもっと怒っているような人もいた。スノーボードのジャッジの基準として、どこを見ていたのか説明を聞くべきだと思う。競技やっている人は、命張って、リスクも背負っているので、そこは選手のためを思って、整理させた方がいい。スルー(放置)しない方がいいと思う」とキッパリと言った。
引用元:https://www.yomiuri.co.jp/olympic/2022/20220212-OYT1T50138/
今回の問題を機に、スノーボードの審査基準もしっかりと設けられるようになるといいのですが…。
平野歩夢の北京五輪決勝時の海外の反応は?
平野歩夢選手が話題となった2回目のジャッジの際、「納得いかない!」と批判していたのは日本だけではありません。
というかむしろ、海外の方がアツく批判してくれています(笑)。
(なんだかちょっと嬉しい気もしますね)
実際にツイッターで「ayumu hirano」と検索すると「ayumu hirano judge」「ayumu hirano why」というワードがヒットします。
“ジャッジ”がヒットするということは、それだけ多くの人が平野歩夢選手のジャッジについて物申しているということになります。
実際にいくつかピックアップしてみました。
みんなが言っているニュアンスとしては「金メダルおめでとう、でもジャッジはやっぱ意味不明だったわ」という感じです。
特にアメリカの審査員が80点台をたたき出してしまった点は、オリンピックを見ていたアメリカの人ですらキレているというかなりカオスな状況となっていますね。
平野歩夢選手のジャッジ問題が明るみに出たことで、スノーボード協会も今後は何かしら変化があるかもしれません。
今後のスノボ協会に期待したいところです。