2022年の夏の甲子園は、仙台育英学園高校が優勝したことで“東北勢史上初優勝”となりました。
東北勢の高校といえば、仙台育英のほかにも名だたる強豪校があるイメージですが、春夏通じて実は一度も優勝したところがなかったんですね。
104回目にしての快挙に「ついに白河の関越えだ!」とネットではすでに話題となっています。
でも「白河の関越えって何?」って正直思った方もいるのではないでしょうか?
私も気になったので調べてみたところ、どうやら高校野球で使われる「白河の関越え」は東北民なら知っている歴史上の常識のようだったので、詳しくまとめてみました!
「白河関」とは?
「白河関(しらかわのせき)」とは、関所(跡)のことを言います。
白河関は福島県の南部にある白河市内と栃木県那須町の県境から約3kmのポイントに関所跡があります。
ちなみに、
- 白河関(しらかわのせき)
- 鼠ヶ関(ねずがせき)
- 勿来関(なこそのせき)
の3つを奥州三古関とも呼びます。
関所ですので、“東北の玄関”でもあるわけですね。
白河市のサイトには、歴史についても書かれていました。
奈良時代から平安時代頃に機能していた国境の関で、当時は人や物資の往来を取りしまる機能を果たしていたと考えられています。やがて律令制の衰退とともにその機能を失ってからは、都の文化人たちの憧れの地となり、”和歌の名所(歌枕)″として知られるようになりました。この地を訪れた代表的な歌人・俳人は、能因や西行、松尾芭蕉など、みな時代を代表する文化人たちです。
また、関跡には、源義経にまつわる伝説が残され、樹齢約800年の従二位の杉など、数々の巨木もあり、歴史の深さを感じさせます。
引用元:http://www.city.shirakawa.fukushima.jp/page/page001743.html
松尾芭蕉が訪れた場所ということは、とても歴史があって趣のあるところだということが分かります。
そしてこの白河関を「越える」という行為は、東北民にとっては大切な団結力のようなことを表す言葉のようです。
「白河の関越え」とは?
「白河の関越え」は“たとえ自分の地域が負けてしまっても、他の東北勢を応援する”という意味合いがあります。
例えば、
「岩手代表が負けてしまっても、宮城代表が残っているから東北勢として応援する!」
というある種の団結力のようなものですね。
これが高校野球用語として派生し、
「甲子園の優勝校が地元に持って帰れる優勝旗が関所を越える=白河の関所越え」
という意味合いでも使われるようになりました。
関所ですので、関門という意味で「この関所を越えられるか~?」という感じで使うようで、実際にツイッターで使っている人をちらほら見かけました。
また、甲子園球場の位置が東北からするとかなり遠いので、はるばる優勝旗が長旅をして関所を越えるという貴重な意味合いもありそうです。
白河関へのアクセス
白河関は実際に訪れることができます!
「白河関の森公園」というスポットがあり、無料で入ることができるので、歴史を感じたい方はぜひ行ってみるのもいいかもしれませんね!
【アクセス】
- 入園料:無料
- 営業時間:9時~17時(11~3月は、16時まで)
- 休館日:毎月第2水曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
- 住所:白河市旗宿白河内7-2
- 電話番号:0248-332-2921
- 白河市公式サイト:http://www.city.shirakawa.fukushima.jp/page/page001743.html
国指定史跡を自分の目で確かめてみるのもいいアクティビティになりそうです。
甲子園決勝戦で戦った仙台育英と下関国際については別記事でまとめていますので、よろしければ読んでみてくださいね。
東北勢の初優勝、とってもおめでたいですね~!